フランチャイズで独立するということ 〜覚悟するべきこと〜

独立起業するとき、フランチャイズに加盟して新規開業することを選ぶ人も中にはいるだろう。

比較的、初期投資にお金をかけられる人が選ぶ方法だ。

フランチャイズ本部を運営する会社に投資をしたいと思うぐらい、そのビジネスに共感するところがあるならば、その選択もいい。

しかし、自分の力だけで開業するのが不安だから、もしくは、自分は現場に立ちたくないからという理由だけで、この方法を選んだ人は今一度しっかり考えて欲しい。

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フランチャイズに加盟するということ

フランチャイズをやるということは、なんでも本部と「はんぶんこ」することでもある。
わりと結婚と同じようなことが多い。
開業する時は本当にワクワクするが、閉店する時は、自分一人で廃業するより本当に消耗する。
泥沼になって裁判になっているフランチャイジーとフランチャイザーは結構存在する。
結婚より離婚の方がパワーがいると言われるが、それと同じだ。

そして、共存共栄しなければ続かなく、加盟した側があまり利益を取れず不満が蓄積していって、早めに終わりを迎えることが多い。

フランチャイズに加盟した場合、覚悟しないといけないことは沢山ある。

「やりたことをやる」は捨てる

本部にも1、2店舗だった時代が必ずある。
そのビジネスとして小さい規模だった頃からフランチャイズ展開するまでに培ってきた想いや軌跡が当然存在する。

そして、このビジネスの方針を決めるのは当然のことながら本部だ。
加盟者には、ほとんど経営判断の権限がないことが多い。
これに耐えられるかがとても重要なことだ。

お金を貯めて、独立起業しても何の権限もない。
その代わりに、自力でやるより成功確率を上げてあげよう。
なので、最初に加盟金を払ってね。
本部が嫌がることをしたら、違反だから本部にお店を売り渡してね。
これが理屈だ。

全ては、本部の手にあることを覚悟しないといけない。
せっかく独立しても、この状況ではサラリーマンと何が変わるのだろうか?

一番儲かるのは、本部である

契約の際、店舗の内装や設備以外に、加盟金や研修費など何百万という単位の資金が必要となる場合が多い。
 
高いなと思うかもしれないが、すぐ開業できるノウハウとオペレーションを買い取ることで、自分で1店舗目を開業するよりもはるかにスタートダッシュをかけれる。
開業1ヶ月目から黒字ということも少なくない。

しかし、本部もボランティアではない。

契約の時点で、本部はそれなりの人件費をかけるだろうが、大金を手にすることになる。
さらに、本部の機能を維持し、さらに利益を出すために、どういう形でかロイヤリティーをとっていくのが通例だ。

そのロイヤリティーは、売上の何%とかだったり、本部から買わなければいけない備品や食材費に上乗せされている。

そしてフランチャイズ展開をする本部の1番のメリットは、人と物件を用意しなくていいことだ。
最も手間とお金のかかる人員の確保と物件取得費用、内装費用を募集したフランチャイズ加盟者に負担してもらうことで、労力や資金を使わずスピード感をもって出店拡大をしていける。

そうやって増やしていった店舗分のロイヤリティー収入で収益を生み出す。(中には、内装費用を本部が持つこともあるが、結果的にローンを組むような形になっていることが多い。)

開業後、うまく業績を残せても、フランチャイズ加盟者はいつも御礼として、なんだかの形で金銭を支払う格好になる。
自力での独立開業ではないことだ。

飲食店の一番楽しいこと

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お店を開業して一番楽しいことは、どんな風にしたらお客さんが喜んでくれるかをあぁでもない、こうでもないと思い巡らすことだ。

イタリアに行って、港町で食べたアクアパッツアの感動して、次の年からシチリア住んで5年ほどトラットリアで修行してきた。僕の料理を食べて欲しい。

こんな思いをもって独立開業する人もいる。
しかし、フランチャイズに加盟するならば、このような思いをほとんど持たずにやるしかないのだ。

イタリアで料理に感動したから、イタリアンのフランチャイズをやるのなら、まだ少しは思い入れがあるであろう。

でも、その体験からワインを決めて、料理のラインナップを決めていくのは自分ではなく、本部なのである。
そこの思いは、自力で出すお店よりもかなり薄まる。

お店の内装、コンセプト、メニューを決めるということは、自分の思いを具現化することであって、お店の運営をしていく中で、もっともワクワクする仕事だ。

でも、フランチャイズに加盟するということは、この一番楽しいことを全て奪われることになるのだ。

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