ここ10年で皮むき・ピーラーは家庭に必ずある道具として地位を確立しており、色んな商品が売られています。
どの家庭にも1つはあるでしょう。
しかし、100円ショップがどの街にもあることからか、あっという間に粗悪なものがスタンダードになってしまいました。
この皮むき・ピーラーは主に野菜の皮をむく時に、包丁の技術的なところを補ってくれることと手間を省くことから重宝されていると思いますが、割と皮がむければ何でもいいと考えている人がとても多い印象があります。
しかし、粗悪なものに当たればこんなことが起こってしまうのです。
100円だからまぁ買い直せばいいや、と考える人も多いかもしれないが、「安物買いのゼニ失い。」とはこのことかもしれません。
まず、薄くむくことができないものは、 むく時にかなり力が必要で、ほとんどがちゃんとした刃がついておらず金具の間に挟んだ食材を削りとることで皮を強引にむいているのです。
この手のものは、大抵、押し当てて引き下げるときに、「ジーッ!」と音がします。
しかし、ちゃんと刃が付いているものは、無音に近いのです。
そして、刃が付いているものは力をほとんど必要としないし、厚くむきたければ軽く何度か往復すれば簡単にむくことができるはずです。
さらに一番大きい違い。
粗悪なものは皮を削り取っているせいで、むいた食材の表面が押しつぶして傷つけてしまっています。
その時点で、水分を含む食材の成分がどんどん外へ出ていき、その食材の鮮度の落ち方はかなり早く、本当に粗悪なものだと、剥いた瞬間に色が変わってしまいます。
そして、とにかく大根1本むけば明らかにわかりますが、本物のピーラーは疲れない。
優れたピーラーでいい刃がついていれば、持ち手の部分である本体もある程度の重さがあり、丈夫な構造でむく時は、ほとんど力が必要ないのです。
購入するときに以下の点で、良いものと粗悪なものを見分けることができます。
1. ちゃんと刃がついてるか?
セラミックカーボン・ステンレス刃物鋼・ハガネなどいろんなものがありますが、手入れしやすく、刃物としての切れ味があるステンレス刃物鋼が一番いいでしょう。
購入するときに裏面を見ると記載されています。
2. 刃は斜めに取り付けてあるか?
これはかなり重要です。
豆腐を手の上で切ったことはあると思いますが、包丁を滑らさずに真っ直ぐ落とせば、豆腐は切れますが、手は切れることがないと思います。
言うまでもありませんが、基本的に刃物は、横にスライドさせなければなかなか切れないのです。
ピーラーでも刃が斜めについていることで、包丁でいうと滑らせるような作用があるので、力を入れずに簡単に切れ味よく皮をむくことが出来ます。
この刃の角度は見ればすぐ確認出来ますので、ぜひチェックしてください。
僕の私見ですが、斜めについていなければピーラーとして認めません。
3. ピーラー自体がある程度、重いか?
重いピーラーだと使うのに疲れてしまうのではないかと考えると思いますが、ある程度の重さがあった方が疲れません。
その重みを利用して、皮を剥いていくイメージです。
大人が子供用のプラスチックの小さいフォークで何かを刺して食べようとする時の不安定さを思い返してみるとわかると思います。
道具には、人の力に応じた適度な重さというものがあります。
ボーリングの球も安定する重さがあるのと同じです。
この3点をしっかりチェックして、購入してみてください。
たとえ普段買っているピーラーの10倍の値段がしたとしても、損はないです。
そのちゃんとしたピーラーで作ったキャベツの千切りは、いつもよりシャキッとしているし、いつもより日持ちがするはずです。
3ヶ月も使えば、捨てる食材の量にかなり差が出るので、完全に得したことになります。
良いものは10年近くもちますし、さらに良いものは、刃だけ交換することも可能です。
改めて考えて欲しいのは、100円ショップで売られている、特に道具には必ず100円である理由があるということです。
包丁やピーラーなどは、それに触れずに料理され、口に入る食材はあまりなく、家庭においてもとても重要な道具なのです。
安い調理道具で、食材を殺してしまっていませんか?
ぜひ、食材を活かす道具選びをしていただきたいのです。
とよしき