家飲みと食事をちょっと贅沢に⑦ 〜今だからできるいい食材の買い方〜

このコロナショックで一つの恩恵がある。
生産者や仲買業者は本当に苦労されているが、今回の騒動で素晴らしい食材を普段より安く手にすることできる。
以前にもふれたが、これを機会にぜひ家庭で本物の食材をためしてみて欲しい。

食材に対する考え方を変える過去記事です。

目次

予定のくるってしまった生産者

とても気の毒な話だが、今年こそある程度の生産調整はできていたとしても、普段通りの出荷量に遠くおよばず、生産したものが残ってしまい苦労している生産者は少なくない。

例にとると貝類などの養殖業をしている人はとても大変な状況だ。

北海道の「かご養殖」のホタテ、三陸の牡蠣などは特にこれにあてはまる。

鶏肉のように短期間の飼育で出荷できるものとは違い、手をかける期間の長い貝類はコントロールが難しいのだ。

昨年の春は特にひどかった。

2月頃から最盛期を迎えるホタテは、もろにコロナショックとかぶり、イベントは中止、普段の取引先である飲食店からは、ほとんど注文がない。

これが今でも続いてる状況だ。

特にホタテは、水温が上がってきてしまうと死滅してしまうし、貝毒が出れば出荷を止めることになるので、期限が決められている。

昨年の春にとった行動は、普段より価格を落として売りさばいてしまうことだ。
しかし、そんな状況である生産者の足元を見るかのように異常に安い値段で買い取る業者も出てきたので、たまったもんではない。

この状況から早く元に戻ることを祈るばかりだ。

養殖だけではない、天然のホタテなどもやはり普段いいものを仕入れている飲食店、ホテルが全く買わないことから、価格はどんどん下がる傾向にある。

これも期限が決まっているものだ。

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生産者からの直接購入

こんな状況ではあるが、家庭には本当にありがたいことでもある。
いい食材が普段ならありえない値段で手に入れられることケースが出てきている。

今でこそ秋刀魚やシャケは高級食材になってきてしまっているが、漁獲量が根本的に減っているものさえも、値は少し落ち着く。

これを機会にスーパーの安売りで購買意欲をあおられて、食材を決めてしまう習慣を改めて欲しい。

自分の知識による判断をしていくべきだ。

このままではダメになってしまう食材、買い手が少ないので今までより安く手に入るものが今現在たくさんある。

そして、その反面、今までより安く仕入れられているのに普段通りの価格で売られているものも中にはある。

これらの歪んでしまった流通ではなく、自分で判断していくのに最良な方法は生産者からダイレクトに情報を得て、直接、生産者から購入することだ。

以前から問題となっているスーパーに着くまでの中間業者のマージンを省いていくことは、生産者、消費者の双方がハッピーになる。

進化している生産者

コロナ時代になってさらに進んでいるが、この10年で農業、畜産業、水産業の生産者は、都会に住んでいる人間の想像をはるかにこえて、進化していっている。

僕のいとこのりんご農家は20年前にPCで農作業を管理し始め、今やSNSとECでまったく無理なくリンゴを販売している。
JAに納める量は、今じゃ半分以下だ。

友人の魚の仲介業者は、ツイキャスで当日の朝獲れたものを配信し、12時までに注文を受けて、15時までに出荷している。

こんなこともまったく珍しくない。

オーガニックにいち早く反応したのも、やはり生産者だ。

台頭してきた直販サイト

だいぶ前から、生産者からの直販サイトは存在していたが、このコロナショックで、生産者、消費者共にもっとニーズが増えて、この直販サイトはもっと質の良いものになった。

このスピード感と合理化をしっかり求められるECは、今まで生産者側がその対応に遅れをとり、発送するまでのプロセスを仕事の流れに組み込みことができなかった。

しかし、もう追いついた。

これに準じて、ECの運営サイドも仕組みをブラッシュアップしてきている。

決済方法も多彩で便利になり、発送用の伝票も農作業の合間に手書きして時間を取られることもなくなってきた。
全てECサイトがやってくれる。

もうこれまでの直販サイトと違うのだ。

リアルに更新された商品の情報、極限まで抑えられた配送コスト、どれをとってもいい食材を安く手に入れることに応えられるようになってきている。

本物を試す

繰り返すが、この長引くコロナ禍は今までより良質の食材を手にとり、試してみる絶好の機会だ。
そして、コロナが収束した後も、いいものを安く提供してくれた生産者に御礼するつもりで気に入った本物の食材をたまにでもいいから買い続けてほしい。

そんな自分の判断力で食材を選ぶ親が増え、その親から食育といわれる最低限のリテラシーを身につけた子供達が一人でも多く増えることを願う。

素敵な生産者の見つけ方

まず第一にほとんどの人が多くの時間を費やしているSNSが挙げられる。
普段から業者に多くおろしている生産者は特にFacebookにアカウントをもっており、グループを作っていることも多い。

これを利用するのもいいだろう。

また、ブラッシュアップされたECサイトを見てみるのもいいだろう。
毎日スーパーで品物の価格を見るのと同じようにサイト内を見て回れば、品定めの感覚はついてくるはずだ。

洗練されたコンセプトでファンを増やしているECサイト

■ 食べチョク
全国の3,000軒を超える農家や漁師から、食材やお花を直接お取り寄せできる
「国内No.1の産直ECサイト」です。
メディアへの露出が増えていますね。

■ Perrot 「ペロット」
プロの料理人が使う食材と食の専門店の品揃え
注目すべきは、15,000店舗の飲食店が利用するEC卸サイト『魚ポチ』が運営している点。
魚ポチは、飲食店への対応が絶賛されており、僕もかなり使っています。

実力のある今後が楽しみな2サイトです。
ぜひ試してみてください。

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