家飲みと食事をちょっと贅沢に⑧〜情報が多すぎる美味しい天ぷらの揚げ方〜

「美味しい天ぷらの揚げ方」と検索するとさまざまなコツと言われるものが出てきます。

あまりにも多くて何が本当なのか? 
また、色々試してみても、うまくいかない?
もしくは、教え通りにするのが大変で家庭での再現性が低いことが紹介されていることが多いようです。 

そこで、色々と世にでているコツ、やり方、レシピの中で、これだけ最低限やれば美味しくできる点を整理してみたいのです。 

パッと検索すると以下のようなコツが出てきて、特に天ぷらの衣に関して、こうすればいいというものが沢山あります。

  • 小麦粉は2、3回に分けて入れる
  • 小麦粉は粉ふるいに掛ける
  • 混ぜすぎない
  • 卵を入れない
  • 水の代わりに炭酸水を入れる
  • マヨネーズを衣に入れる
  • 油を衣に入れる
  • ビールを衣に入れる
  • 焼酎を衣に入れる ベーキンパウダーを入れる
  • 片栗粉も入れる

あげればキリがありません。

先に僕が大事だと思っている点をお伝えします。

1. 油の温度が下がらないようにする
2. 小麦粉にグルテンを最小限にする
3. 揚げたら油をしっかり切る

この3点を達成するために必要なことだけ、できる限り実践してみたいのです。


まず、衣となる天ぷらの生地もとても大事ですが、一番差が出るのは、油の扱い方です。


先にあげた、天ぷらの衣に関するいろんなコツは、ほとんどが理にかなっていますし、実際やってみれば効果があることばかりです。
 

しかし、あまりに多すぎるのでシンプルにして、少しだけ理屈を覚えて欲しいのです。

目次

揚げるという調理方法

まず、天ぷらを揚げるという料理は、衣で食材を覆って、短時間で衣の水分を抜き、食材の旨味を閉じ込め、食材自体の水分を抜いて味を凝縮させる調理方法です。

ここで大事なのは、食材の水分は少し抜く程度に留めて、食材自体は揚げると言うよりも蒸すイメージなのです。

サクッと揚げるのは衣だけで、食材は、味を凝縮させると考えてください。

油の量と温度

家庭ではなかなか難しいことですが、どうにか実践したいのは、できる限りたくさんの油であげることです。

それが難しいなら、油に入れる食材は、できるだけ少ない個数にして少しずつ揚げることです。
これなら、再現性はかなり上がるはずです。

以前に「茹で方の極意」でも書きましたが、麺を茹でるときのお湯の量が少なすぎるように、揚げ物に関しても、揚げる物の量に対して、油が少なすぎるのです。
 もし、フライパンで揚げるなら、天ぷらの数は多くても2個まで、できれば1個で揚げるべきです。

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これは一度に入れすぎです!

過去記事も読んでみてください。

そんなことしていたら、時間がかかりすぎちゃうし、子供たち待ってくれない。

と思うかもしれませんが、基本的に家庭で天ぷらを作るとき、ほとんどの人は、かなり揚げすぎています。 

エビの天ぷらは、30秒程度でいいサイズのものを、3倍以上の時間をかけて揚げていますし、さらに、一度にたくさん揚げてしまい、油の温度を急激に落として、3分以上あげている人も少なくありません。 

それを考えれば2個づつ程度の留めて、30秒でテンポよくあげていけば、時間はほとんど変わりませんし、美味しく揚がります。 

もっとも急激に温度の下がった油であげた天ぷらは、衣に油をたっぷり含み、ベトベトになっていることでしょう。

きちんと短時間で揚がった天ぷらは、油切れも良く、揚げ終わった後の鍋の油があまり減っていないはずです。

大敵となるグルテン

グルテンの何たるかはいろんなところで解説されているのでここでは省きますが、衣の生地にビール、油、ベーキングパウダーを入れるといった方法は、グルテンが出てしまってもなんとかサクッとさせる方法だと考えてください。 

要するにグルテンを最小限に止めれば、それらの追加の材料は必要としません。
衣は、薄力粉、卵、水だけでいいのです。

ここで絶対に守って欲しいこと
薄力粉を入れたら、ほぼ混ぜない
ここが重要です。

いろんなところでコツが書かれていますが、ここは大事なので細かくやり方を記します。

1. 水500mlに全卵を落として、しっかり混ぜます。
もう違うことやってませんか?水に卵を落とすんです。
卵をかき混ぜてから、水を入れてないですか?
卵の溶け方、馴染み方が違います。

2. この卵水をキンキンに冷やす。
水を少し減らして、氷を入れても構いません。



3. 薄力粉を振るっておきます。(卵水と同量の薄力粉)


4. 2.の卵水に薄力粉を2、3回に分けて入れます。
 
1回入れて、軽くかき混ぜて、2回目以降は、ちょっとひっかく程度で十分です。

5. すぐに使わないなら冷蔵庫で冷やしておいてください。
冷やすことで、グルテンは出にくくなります。
さらに天ぷらの生地で使う分の薄力粉をあらかじめ、冷凍庫に入れておくのも手です。

これだけで十分です。

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油が切れていない

これも家庭においては本当によくあります。

油から取り出すときは、箸で取り出して一番とんがったところを下にして、
軽く振って油を落としましょう。
 

この作業を省いてしまう1番の原因は、一気にたくさんの天ぷらをあげて、同時に仕上がるので一個一個油切りをする暇がないことなのです。

これを避けるためにも、少量ずつ揚げていきましょう。 
やってみればわかりますが、本当に短時間で揚がります。

そして一度でいいから、いつもの3分の1ぐらいの時間で、油から取り出して食べてみてください。
何度も繰り返しますが、9割以上の人が揚げ過ぎています。
(根菜など一部を除く)

また、さつまいもの天ぷらなど、特に平なものは、必ず立てておいておきましょう。
平なものを油から引き上げたあと、平たくおいておけば、油はそこにとどまってしまい、サクッとした衣にはなりません。

「さつまいもの天ぷら、揚げたあとにたっぷりの油を染み込ませて」という料理になってしまいます。


他にも
打ち粉をする
 
油の温度は、野菜は170度、肉魚は180度
油に入れてすぐは、触らない
 
など細かい加減が必要なことはたくさんありますが、そこはあまり考えすぎないでください。
打ち粉をしないと衣がつかない食材はつければいいし、油の温度は、低いのはダメだが、ちょっと高いぐらいは気にしなくて大丈夫です。

もう一度確認

大事なポイント
油は多めで、なるべく少しずつ揚げる。
グルテンが出ないように衣を作る
しっかり油を切る。

この3点がきちんと出来ていれば、細かいテクニックや特別な材料は思い切って省いちゃいましょう。

細かいテクニックとニラめっこしながら天ぷらをあげるなら、ここまで読んだことをしっかり頭に入れて、揚げてるものしっかりみて、変化を感じながら揚げてみてください。

プロではなく、家庭の天ぷらとしてはこれで十分です。
今までと全然違うはずです。




繰り返しますが、どうしても家でやってしまいがちな傾向を覚えてください。
これがチェックポイントになります。



油が少ない
節約したいし、そんなにしょっちゅう揚げ物をしないのなら、揚げ物をした時に使った油の残りを炒め物の時にちょっとづつ使ってください。
古くなる前の使えば全然使えます。
たっぷりの油で揚げましょう。

とにかく揚げすぎ
僕は、家庭作られた天ぷらで、揚げ不足だったことをみたことがありません。
必要な時間の3倍以上かけてしまっています。
明らかに揚げすぎです。

一度に大量に揚げすぎ
かえって時間がかかります。
油に食材を入れるんです。
食材に油を入れてるのかと思うぐらいのバランスになっている人が多いです。
お茶漬けじゃないんだから。

とにかく生地を混ぜすぎ
ひどい人だと、薄力粉に卵水を入れていって、しっかり衣を練り上げています。
アメリカンドックみたいになってしまいますよ。
エッ!こんなに混ぜなくていいの?
大丈夫?
ぐらいが正解です。

このよくやってしまう傾向を頭に入れて、ぜひ天ぷらを作ってみてください。
天ぷら粉を買う気がなくなると思います。

油の温度の調整が不安な人は、電気フラーヤーをお勧めします。
かなり便利です。
ただし、1個づつ揚げてください。 
それが守れれば、お勧めいたします。

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