アフターコロナの飲食店 〜お客さんは本当に戻ってくるのか?〜

緊急事態宣言が解除されて2週間。

コロナ前のように自由に営業時間を決め、間引いた席をある程度は戻し、ほぼ平常通りの営業活動ができるようになった。

飲食店にとって今までと大きく違うのは、感染防止協力金などの行政からの支援がパッタリとなくなること。

当然のことながら、経営者が気にするのはお客さんが以前のように戻ってきてくれるかの一点だ。

また、感染拡大が再び起こる可能性も否めないが、もし、ある程度は順調に感染を抑え込めた場合、これからの1年は飲食店にとって大きな局面を迎える時期になる。

ともすると、飲食店の「全国統一テスト」が始まったようなものだ。

一部の地域を除いて、行政からの支援金で経営の悪化という事実にフタをしてきた飲食業界は、これまで特別な環境下にあり他の業種ほどまともに影響を受けることなく乗り切ることができたお店も多い。
 
しかし、これからが本当のコロナショックだと気を引き締めている経営者がほとんどだと思う。

これからの一年、どんなことが起こり、どうやってお店の舵を取っていくかを考えてみたい。

1. 変貌を遂げたお客さんのニーズ

深夜帯に飲み歩きウロウロしてきた僕も、このコロナ禍ですっかり昼型の人間になってしまった。

若い世代は、やっと飲みに出れると思うだろうが、僕と同じぐらいの4、50代の人は、そんなに躍起になっていない。

少し家庭に意識がいき、お酒の量も控え気味で朝のランニングなんてものを取り入れた人も多い。
お酒を控えるとこんなにカラダが軽いんだという人が後を絶たないところを見ると、この習慣はしばらく残っていくだろう。

そんなことから2軒目以降のニーズは確実に減っていき、しっかりと食事ができる飲食店に比重が傾くことは容易に想像できる。

2. 戻ってくる割合は7割?


営業時間が深夜の2時頃までの飲食店が、24時までと営業時間を変更して営業を再開しているケースがとても多い。

さらに、客単価高めのそれなりの高級店は、ディナーの2回転目を明確にあきらめるかようにラストオーダーの時間を21時頃に変更する向きがある。

このコロナ禍で深夜時給に該当する時間に雇う人数を減らすことで、人件費の経営負担がかなり軽減されることを知ったことも一因であろう。
 
営業時間の短縮だけ見ても、今までより2、3時間の現象は、単純に計算しても客数として3割程度の減少となる。

お客さんが戻ってくる割合は7割と設定して、舵を切った経営者も多いようだ。

3. さらに欲しがるお客さん

外食の頻度が下がることとコロナ禍で自宅での飲食の充実を図ってきたお客さんが飲食店に求めるものはこれまで以上に高いレベルのものになる。

バーでしか飲まなかった高いバーボンを家で飲み、フレンチでしか食べれなかった鴨のコンフィを家で作ってみたお父さんたちは割と多い。

これからも変わらず求められるのは、家では絶対再現できない料理やお酒か、その空間でないと楽しめない雰囲気や濃い接客のどちらかなのかもしれない。

煙もくもくの焼き鳥屋か腹が、痛くなるほどのトークが繰り広げられるバーみたいな感じで。

そして、週に一度だった外食が、月に一度となれば、後悔したくない、満喫したいという気持ちがさらに増すのは当たり前のことだ。

お店選びに割く時間は増え、とても慎重になり、しっかりと査定された上で間違えなく確実に満足できるお店を選ぶことになるだろう。

4. コロナ前に戻るお店の条件

この条件は、20時までの時短営業の頃にすでに明確になっているように思う。
 
これまで常に満席で2ヶ月先まで予約でいっぱいだったお店ならば、アフターコロナでも何も変わらず、繁盛することは間違えないようだ。

お客さんの満足度が高いならば、その確実に満足させてくれる店として、数少ない外食機会にその店選び、回数が減った分、その一回に使う金額には甘くなるようだ。

そして、濃い接客があり、その店主でないとダメなお店も変わらない。
 
リモートでの仕事で人と会う機会が激減し、出歩かなくなった分、最終的に人恋しさで好きな店主に会いにいくようにも思える。

しかし、2軒目でなんとなく「ここでいっか。。。」となだれ込むようなお店は、選ばれる可能性が極端に減っていく。

以前の姿に戻る店の条件とは、当然のことながら満足度が高く愛されているお店なんだろう。

これはコロナ前もコロナ禍もアフターコロナも変わらない。

ハッキリすることは、なんとなく行っていたお店には行く意味がなくなってしまうということだ。

5. イチにもニにも完成品

コロナ禍でいろんな局面に立たされた飲食店は、いろんな打ち手を持ってきて戦った。

テイクアウトで宅飲みのニーズに応え、配達をするお店も急速に増えた。
販路を全国に広げようとSNSの投稿に手間をかけ、お取り寄せのニーズに応えてみた店舗も多い。

しかし、これは売り方の問題だけに焦点を当てたもので、手先の角度だけを変えてみただけの話になってしまう。
そんな中、完成品である製品、商品、料理の研究に、さらに打ち込んだ経営者、料理人も存在する。

コロナ禍で時間に余裕がある時に、高い評価を得ていた飲食店がさらに料理の開発や見直しに時間を割いたのは、今後、恐ろしいいほど他店との差を生んでいくだろう。

まとめ

このように整理してみると、家では再現できないものを提供し、進化し続けてさらに素晴らしい料理や空間をお客様に提供することが第一条件であり、いつの時代も変わらないことのようだ。

外食機会が減って、お客さん全体の分母がしっかり減ってしまう今、なんとかギリギリで経営していたお店に容赦ない採決がくだってしまう1年になってしまうだろう。

緊急事態宣言の解除と同時に、お店の賃貸契約の解約を申し出た経営者も意外と多くいる。

この1週間の居抜き店舗の新着情報はかなりの数だ。

今まで見たことのないような飲食業界の異変が今まさに始まっているのかもしれない。

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