コロナ時代に飲食店がやるべき3つの対策

 長く続くコロナ禍において、大半の飲食店は他の業種に比べて、国の政策により大きな支援を受けています。 

 感染防止協力金などで地域によっては、1日6万円の給付を受け、協力金バブルとも言われており、店舗の規模によってはピンチではなく、いつもの純利の倍以上をプールできているお店も少なくありません。

 しかし、これは一過性のもので、この国からの支援が打ち切られ、コロナの影響が本格的に現れてくる近い将来はどうでしょうか?

 たとえコロナ禍がなかったとしても、飲食業界は特に少子高齢化、原材料と人件費の高騰などマイナス要因が多いことは否めません。
 それに加えこの自粛ムードで、売上金の多くを占める40、50代の外食習慣はかなり減少していき、リモートワークへの移行、都心から郊外への生活圏の移動など売上減少に直結する要因ばかりが目立ちます。

 こんな厳しい状況がうやむやになってしまうほどの手厚い給付金で感覚がおかしくなってませんか?
  飲食店に品物を納めている取引業社の倒産ラッシュは、もう始まっている状況なのです。

 もし今、協力金などで資金に余裕があり時短営業で時間の余裕もあるのならば、このお金と時間の使い方が、あなたのお店の未来を分けることとなります。
 ほかの業界より少し猶予をもらっている飲食店が、この貴重なお金と時間の使うべきポイントを3つにまとめました。

目次

コロナ時代に飲食店がやるべき3つの対策 

  1. 夜から日中の時間帯に重点を移す
  2. 減価率の低い商品を開発していく
  3. ランチのメニュー単価を高く設定する

 この3つを意識することで、時短営業、休業要請がなくなった時に他とは差がつくお店に成長し、今後の売上を確かなものにできるはずです。 
 以下の内容は、飲食業歴30年の僕が実際に行い検証したことをまとめています。

お酒以外でも利益が残せるように変化する

 当たり前の話ですが、多くのお店がそうであるように、お酒の粗利がお店の経営を支えてる構造になっているでしょう。

 しかし、今回の時短営業要請や緊急事態宣言で、この理想の形はもろくも崩れ去りました。

 22時以降の深夜帯が営業できなかったり、外出する時間帯が日中にスライドしてしまったこと、リモートワークで出社率が下がったことで、お酒をよく飲まれる時間帯に外出する人が激減したことは明らかです。

 夜の外食の回数が減り、かけるお金も減ったお客様は、昼に少しの贅沢をし満足感を得ようと考えます。

 やはりこの傾向みても、お酒ではなく、料理、食事がメインとなっていきます。

これまでの利益構造

1200円のメイン料理 ⇨ 原価は35%を超え
その仕込みにかかる時間と調理工程は人件費を多く割いてしまう

600円のハイボールは極端な場合⇨ 原価が100円を切り
20秒ほどで出来上がり

  こんな効率のいいお酒の売り上げをコロナ騒動で奪われた格好になるのです。

 また、夜飲み歩く習慣が減ったことから家で飲む習慣が増え、いいお酒を自分で購入して、家庭で消費することが増えるようになり

「あのバーで飲んでいた1杯 1200円のモルトは、 
           家で飲めば300円で飲めるんだ。」

 といったような思考回路になり、スマホで価格をすぐ調べられ、比べやすいお酒は売りづらい状況となっていきます。

そうです。

お酒で売上を作るビジネスモデルは、崩れてしまったのです。

 それならばどうするべきか?

この3点を実施することで収益体制を整えることができます。

夜から昼の時間帯に重点を移す

 バー業態の店舗は、コンセプトそのものを覆すことになるのでお勧めしませんが、それ以外の業態の店舗は、確実に進めていくべき施策の一つです。

これからの傾向として言えるのは、

飲む機会が減る
   ↓
夜の外食以外に使うお金が増える
   ↓
昼間に少し贅沢をする

 

 明らかに夜出歩く人の数は減っていき、景気も上向きにはならない当面の情勢の中、一番最初に省かれるのは、つい行ってしまっていた2、3軒目の呑みであり、余計なもう一杯です。
 これらは最初に削られることとなります。
 そして、折からのリモートワーク推進で、会社帰りの宴会はほとんどなくなっていく現状を考えると昼間の時間帯に飲食代として使うお金が増えていくのは必須です。

 この需要を逃す手はありません。
 ランチ、もしくは朝の時間帯の営業を検討したこともない店舗は、今一度検討すべきです。

 ラーメン屋であっても、

朝ラーメンのニーズはないのかな? 

ぐらいまで常識を疑ってみてください。 

原価率の低い商品を開発する

 昼間の時間帯に重点を置くと、必然的にお酒の注文量が減ることは明らか。
しかし、それでもこの昼の時間帯でも利幅を残しておかなければいけません。
 今まで、夜のお酒メインで売り上げを立てていた店舗経営者からすると

ランチ=くたびれ儲け

と感じてる人は、とても多いと思います。
 しかし、やり方次第では、利益を残す可能性は十分にありますし、コロナ時代だからこそ、昼の時間帯のビジネスチャンスは広がっているのです。

 そこで見直すべきは、お酒以外で原価率が低いアイテムをつくれないかという点です。

ヒントは、お酒をあまり飲まない客層にあります。

 この客層の方がよく頼むもの

  • ソフトドリンク
  • スイーツ
  • ノンアルコール・ドリンク

 これらが挙げられます。

ソフトドリンク

価格のわかりやすい商品で比較されやすいと思いますが、ワンランク価値の高いものに目を向けてください。

「アイスティー」

のように、ただメニューに書かれてるような、なんとなくおいたソフトドリンクではなく、

 「国産オーガニック 水出しアイスティー」

 のように、一段意識が高いもので、経営者、スタッフが飲んでみて気に入ったものを採用してみましょう。
 特にお酒メインで営業されたお店は、

酒屋が持ってるアイスティーでいいや

エスプレッソマシン貸してくれるコーヒー屋が持ってくるアイスティーでいいや

などで、本当に安易に決めてしまってるお店が数多く見受けられます。

 今まで、ちゃんと考えてなかったところにもっと目を向けてみてください。
 当たり前にしていたことに疑問を持ってください。
 

スイーツ

  これも同様に、多くのお店の方が見落としていることが多いです。
 小麦粉、卵、油、砂糖が多くを占めるデザートは、かなり原価が低く、効率よく提供できる商品があります。
 さらに、仕込みの時間はある程度かかりますが、オーダーが入った時の最終調理は、極短いものです。

スイーツと合わせるドリンクの教科書として重宝している本を紹介します。

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